当協会では、2023 年 8 月 27 日から 3 週間、中央大学国際経営学部並びに麗澤大学国際学部の学生 17 名を引率して、ワシントン DC において、夏季研修プログラムを実施しました。実に 3 年半ぶりの現地研修再開でした。コロナ禍で世界が大きく変化するなか、米国の首都ワシントン DC の状況も、大きく変わっている状況でした。
機関訪問では、国際協力・開発に大きな影響力を持つ世界銀行、IMF、アジア開発銀行などの国際機関を訪問し、国際機関の役割や世界の最前線で活躍するプロフェッショナルとの貴重な面談と意見交換を行いました。特に世界銀行訪問に際して、先ず東京オフィスを訪問し、世銀の役割や概況に説明を受けました。世銀本部では、3 名の専門家との面談・意見交換を通し、世界の舞台で活躍する上でのマインドセット、スキル、対応力などについて、具体的に学ぶことができました。
多国間協力との好対照として、JICA では二国間の国際協力・開発の取組みに関して、説明を受け、学生たちは熱心に耳を傾け活発な意見交換を行いました。笹川平和財団 USA では、緊迫するアジアの状況に関して、アジアの安全保障に精通している上級専門家から、丁寧な説明を受けました。アジアの厳しい現状を踏まえ、如何に対処していくべきかなど、日本では先ず聞くことのできない内容に関して、最新の知見に接する機会となりました。
大学訪問では、アメリカン大学とジョージワシントン大学の 2 校を訪問しました。アメリカン大学では、国際関係学部が中心となり、大学・学部の概要説明、キャンパスツアーそして日米学生の緊密な国際交流を行いました。学生間の交流が深まり、一部の学生は夜 10 時ごろまでキャンパスで、親睦と交流を行っていました。ジョージワシントン大学では、アジアにおける国際関係・地政学に関する説明を受け、その後活発な意見交換を行いました。
デュポンサークル近くの語学学校では、各レベルに合った少人数のクラス編成と充実したプログラムのもと、専門の先生との密度の濃い語学研修を行うことができました。更に実践的な会話に、カンバセーション・クラブがあり、また DC の名所を巡るフィールド・トリップも計画されており、各クラスを超えた交流の機会でもありました。
ボランティア活動では、DCCK と Martha’s Table 2つの活動に参加しました。就労プログラムを取り入れたソーシ ャルビジネス DCCK は、新天地ウォーターフロントにある最新のオフィスに移転し、大規模な事業展開をしていました。改めて米国 NPO 団体の財政規模、組織、活動のスケールを思い知らされました。また Martha’s Table では、実際にホームレスへの食事の提供に参加しました。現実の社会格差の深刻さと社会の表裏に触れると共に、日本では考えられないホームレスとの関係など、貴重な体験をしました。
文化面では、大使館に隣接する旧大使公邸を訪問し、大使の旧執務室、書斎、また茶室(一白亭)などを見学しました。最後のイベントとして、ワシントン DC の中心部にある本格的な茶室和深庵で、暫し日本の心に浸り、ゆっくりとした時間を過ごしました。
当初、緊張していた学生も、徐々に DC の地理と雰囲気に慣れ、3週目には、もっと残って研修を続けたいと言っていました。このように大変充実した3週間の研修でした。